The DAOと、The DAO事件(2016年)について解説します。

The DAOとは

The DAOとはドイツのスタートアップ企業「Slock.it」によって立てられたプロジェクトのことです。
(※DAOとはDecentralized Autonomous Organizarionの略称で「分散自立組織」の意味)

当時ICOを行い、1.5億ドルという当時最高の資金調達を成し遂げました。

この際、投資をするための通貨がオルトコインのイーサリアム(ETH)で、投資をすることによりDAOというトークンに交換してもらえます。

The DAOの内容は?

The DAOは非中央集権型(自律分散型)投資ファンドのプロジェクトです。

非中央集権型(自律分散型)投資ファンドと言われてもよくわからないという人がほとんどかと思いますので、通常の投資ファンドとの簡単な比較をしてみましょう。

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(通常の投資ファンド)
投資家からお金を集め、集めたお金で投資会社などが投資などの運用を行う。

(The DAO)
投資家からお金を集め、集めたお金の使いみちは投資家の投票で決める。
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今までの考え方だと投資会社が集めたお金を運用する(中央集権型)だったのに対し、特定の管理者がいるのではなく投資家の意思の投票で投資先が決まる(中央集権型)というのが斬新だったのです。

The DAO事件とは

資金調達を大規模に行い、今までになかった投資ファンドをこれから世界に、というところでThe DAOのプロジェクトの脆弱性がハッカーによって突かれ、プロジェクト内の仮想通貨・イーサリアムが5,500万ドル盗難されるという事件が起こります。

これがThe DAO事件です。

The DAO事件が起こしたイーサリアムのハードフォーク問題

ICOによって資金調達した5,500万ドルが盗難に遭ってしまったことももちろん大問題なのですが、この盗難は別の問題にも派生します。

ハッカーに盗まれてしまったイーサリアムにどう対処するかということが、イーサリアムのコミュニティで話し合われました。
発案されたのは以下3案。

  1. 何もしない
  2. ハードフォークして盗難がなかったことにしてしまう
  3. ソフトフォークで盗難したお金を取り戻す

結論としては「ハードフォークして盗難がなかったことにしてしまう」というものとなりました。
全く新しい通貨として生まれ変わらせてしまうという強行案ですね。

ハードフォークを実施した結果、ハッカーが盗んだイーサリアムを無効化することに成功します。
ただ、今度はイーサリアムのコミュニティの中でハードフォークに反対する勢力があり、その勢力は従来のイーサリアムを利用し続けるという方向で動きました。
ここでイーサリアムは、イーサリアム(新型)とイーサリアム・クラシック(従来のイーサリアムを使う)派閥に分かれます。

販売所などでもイーサリアムとイーサリアム・クラシックという2種類の似たような通過があるのはこうした背景があるためです。